計画作成に当たり、(1)竣工図書、(2)修繕記録等、(3)既存の長期修繕計画書、(4)決算報告書、(5)管理規約、(6)設備定期点検報告書といったデータを収集。計画的かつ経済的なマンション維持に繋げます。
(1)竣工図書
竣工時点の建物が正確に表された図面と写真、各種伝票や保証書、各種資料などがまとめられたもので、一般的に建築・構造・設備・電気といった2~5種類に分かれています。建物の維持管理の基本となる最も重要なデータです。マンションの竣工時または引き渡し時に受領し、現地(管理人室等)に保管されています。
(2)修繕記録等
次回の修繕工事や長期修繕計画作成に必要なデータです。一度修繕を経験したマンションには、修繕完了報告書や工事内容(仕様)、見積書、各部位の保証期間などが記された文書類が保管されていると思われます。この記録が残っていることで、次回の修繕計画や長期修繕計画の参考になり、計画をスムーズに進められます。
(3)既存の長期修繕計画書
過去に長期修繕計画が立てられていた場合は、長期修繕計画書に将来的な工事予算や積立金の見込み等が記載されているはずです。当社で長期修繕計画を作成する際の参考とさせていただきますので、保管されている場合は提供してください。
重要書類のデジタル化をおススメします!
(1)~(3)のデータ(図面・資料等)は、保管が大変な上、紙製であるだけに、どうしても経年によって劣化してしまいます。特に図面は一度失ってしまうと、再作成に多額の費用が必要となっていまいます。そのためSNコンサルタンツでは、図面や資料などのデジタル化をお勧めしています。 デジタル化しておくことで、膨大な資料をパソコン上に整理できるため、保管が容易であるとともに、必要な時に必要なデータを取り出すことができます。もちろんプリントアウトして居住者に配布することも可能になります。
直近に大規模修繕工事をしていない場合は、より正確かつ現実的な計画書を作成するため、建物および設備の現況を調査する必要があります。
建物調査
設備調査
SNコンサルタンツでは国土交通省が定めるガイドラインに準拠し、長期修繕計画書を作成しています。
長期修繕計画書の構成
長期修繕計画書の構成項目は次の通りです。
建物・設備の概要把握
竣工図書および過去の修繕記録などにより、建物と設備の現況を把握します。
各年度修繕工事計画(工事項目、修繕周期)
工事毎に修繕時期と修繕費を整理して記載したもの。各年度に実施される工事の内容や費用を確認できます。
修繕積立計画表(資金計画)
現状の修繕積立金で今後の修繕計画を確実に実行できるのか。それを比較・検討するための表で、修繕費の見直し材料となります。
各年度修繕工事計画(工事項目、修繕周期)
各部材等の耐用年数や周期などから年度ごとの修繕工事を一覧にします。各工事の内訳明細書は、各部位別・工事別に使用や工事単価等を明記し、計画書に添付します。建築・設備(電気・給排水・エレベーター等)別にまとめておくことで、実際の工事計画作成に役立ちます。
建物調査・診断書
長期修繕計画書を作成する際には、建物および設備の現状を把握するため、調査診断を行っています。詳しくは関連ページを参照してください。